私自身理系学生の一人なのですが、周りの学生をみていると8〜9割は大学院に進学しています。
昔から理系科目しかできなかったど理系な私が、そんななかでなぜ大学院進学をせず就職の道を選んだのか、その際に考えたことや、メリットデメリットをまとめたので参考にしてみてください。
Contents
きっかけは友達の影響
大学入学当初は、理系なんだし当然絶対大学院に行こうと思って入学しました。
しかし、文系の友達が多かったため3年生になると周りが急に就職活動を始めたことや、3年生の夏に遊び半分で参加したインターンシップがきっかけで大学院進学をやめ、就職を決意しました。
内定をもらった後もこの選択でよかったのか何度も自問自答しましたが、最終的には就職の道を選んでよかったと思っています。
どんなことを考えなぜそのような選択肢をとったのか。それに対する個人的な意見を、一般的に言われている大学院進学のメリットデメリットと合わせて紹介していきます。
大学院進学のメリット
モラトリアムの延長
これが大学院進学のもっとも重要なメリットでしょう。
大学生活は4年しかありません。ほとんどの学部卒で就職する人たちは、3年までサークルで遊びほうけ、周りにながされるまま思考停止で就職活動を始めるのではないのでしょうか。
大学院に進学することで、他の人たちより2年間将来を考える猶予があります。
また、学部で就職した同級生から仕事の話を参考にできることもメリットの1つだと思います。
職業選択の幅がひろがる
技術職や研究職といった職種は、理系ならだれもが憧れるのではないでしょうか。内定者の多くが大学院を卒業しており、学部卒はほとんどいないです。
しかし、狭き門ではありますが、学部卒でもこれらの職種につくことは可能です。また、大学院で研究したことが企業に就職してから使えるようになるとは限りません。
大学での研究をするよりは、早く社会にでてその会社で使える技術を学ぶのが近道だとおもっています。
就職後の給料
多くの企業では、院生は学部生よりも初任給が約2万円ほど高くなっています。
これに関しては微々たる差ですし、大学院生が学費にお金を使っている間に、学部生は働いてお金を稼いでいるわけですから、長期的にみてもそう大差ないのではないでしょうか。
給料はどちらかというと勤める会社に依存しますので注意してください。
ブランドの獲得
院卒のブランド力は海外でもっとも発揮されるでしょう。日本では、院卒、学部卒、よりも、大学名が合否の大きな基準になっているように感じます。 一方海外では、大学名は全く使えません。
私が所属している慶應義塾大学も海外の人に聞いたら、どこそこ?みたいな感じになるでしょう。
そこで重要になってくるのが、大学院ブランドです。海外では、最低でも修士、ほとんどが博士号が要求されます。アメリカのAppleやGoogleなどの社員はほとんどがコンピュータサイエンスで博士号をとっている人たちばかりです。
日本でなくグローバルで技術者として活躍したいと思っている方には、大学院進学は有効でしょう。
ロンダリング
大学受験に失敗してしまった人、やりたい研究が他の大学にある人、は有効な選択だと思います。
残念ながら日本の就職活動は学歴主義です。偏差値が高く有名な大学に行った方がいい会社に内定をもらうことができます。
ロンダリングは叩かれがちですが、大学で勉強をがんばった証拠です。就職活動でも昔の大学の話を聞かれることはあまりないので、安心してロンダリングをしちゃってください。
大学院進学のデメリット
学費がかかる
国立か私立か、文系か理系かによって異なってきますが、大学院でも学部ほどではないものの、高い学費がかかります。
東京大学大学院 535,800円
慶應義塾大学 理工学研究科 1,072,500円 となっています。
優秀な学生だと国から奨学金が出るため、それで生計を立てている人が多いです。
学費は親が出してくれ多としても、大学院でとても忙しく、アルバイトをする時間がないため、成績に自身がない人はお金に苦労すると思います。
人間関係の幅が狭まる
大学院に入ると基本的には研究室にこもります。研究室の同期は基本的には5人前後、多くても10人前後だと思うので、この人たちと行動を共にします。
これは、就職活動の時に苦しみます。 就活は情報戦です。たくさんの仲間を作り、情報共有をして、みんなで戦って行かなければいけません。
運良く優秀なメンバーが揃っていればとても役に立つため、メリットは大きいですが、そうでなければ情報量で苦しむことになるでしょう。
情報をたくさんもっている文系の人たちと一緒に就活をすることをおすすめします。
研究内容が仕事に生きるとは限らない
「研究」は大きく分けて、基礎研究、応用研究、開発研究の3つに分けられます。
多くのひとは大学で基礎研究というものをやると思います。
基礎研究とは、直接的な用途を考えず、仮説や理論を新たに生み出すための研究です
応用研究や開発研究は、その基礎研究によって発見された知識を元に新しい応用方法を見つけて行ったり、開発の工程に導入していこう、という研究です。
つまり、基礎研究は0から1を生み出す仕事。応用研究や開発研究は1から100を生み出す仕事、と言い換えられるでしょう。
一般的にはこの0から1を生み出す基礎研究がもっとも難しいとされています。
また、研究したものが直接ビジネスに結びつかないし、研究に非常に膨大な資金を要するため、大学や大学院のようなアカデミックな環境でしか行われません。
応用研究や開発研究は直接的な利益を見込めるため、一般企業で行われていることが多いです。 このような研究内容の違いを理解し、自分が突き詰めたい道に進むことをおすすめします。
優秀な人は結局文系職につく
研究職や技術職よりも文系職についた方がお金がもらえます。
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いわゆる文系職と言われる、コンサルティングファームや投資銀行、総合商社などがランクインしています。実際に私の周りをみていても大学院生で物理を学んでいた人がコンサルティングファームを受けたりしています。
また、周りの優秀な大学院生をみていると、これ以外にもWebベンチャーやスタートアップなどに就職している人が多いイメージです。
どれも理系、文系、院生、学部生関係なく入社できますよね。
結局文系職につくなら、大学院に行かなくても良いのでは?というのが私の意見です。
結論
大学院に行っても社会にでて必要なスキルはそれほど身につきません。一方で、2年というブランクはとても大きいと思っています。
早く社会にでてプレッシャーの中で仕事をしている人たちの方がよほど社会人としての能力は高いでしょう。
よほどやりたい研究があったり、つきたい仕事がなさすぎて考える猶予が欲しい方をのぞいて就職することをおすすめします。
まとめ
・研究したい&技術者になりたい人
・就活をやらなすぎて詰んでる人
・あと2年遊びたい人
→大学院へ進学!
・その他の人
→学部で就職
をオススメしています!